第45回安全運転全国大会 参戦記




【全国大会までのあらすじ】



平成24年6月3日に福岡自動車試験場で福岡県安全運転大会が開催された。

私にとっては3回目の県大会。

初参加の時は、タナボタで2位。2回目は実力で入賞だ!と意気込んで1年間地道に練習したつもり

しかし、惨敗・・・結果は8位。頑張りすぎて緊張しすぎたのと、一部セクションをなめてかかってあまり練習しなかったのが災いし、

県大会の日記も書く気も失せてしまいました。

んで今回は3回目の県大会。

今年の県大会挑戦に向けたキーワードは「頑張りすぎない程度に頑張る」

本気でいったるぜー!といって意気込むと必ず失敗します。

県大会前の練習で思い知らされました。

なんで、今回は適度に力を抜いていきました。

結果は法規で27点減点、傾斜走行とコンビネーションスラロームでは1位の方が基準タイムとなるんですが、

ジム屋のM君が予想通りの一番時計で、M君に遅れた分だけ減点。

他は特に減点なし。

結果は、2位。団体ではなんと優勝して、優勝旗を手にすることができました。

いやー、自分の二位という結果より、師匠に優勝旗を渡すことができたことのほうに大変な喜びを感じました。


優勝旗を手にすることができました!



【そして特練へ・・・】



7月に入ると特練が開催されます。今年は7回(雁の巣5回、試験場2回)

初日に県の代表を決める選考会があります。

私の敵は昨年代表として全国大会に参加したY岡さん。

はっきり言って強敵です。安定感が私と違います。

見てて危なっかしくないというか、安心できるというか。

私は絶対的な経験や引き出しがY岡さんより少ないです。良い時と悪い時の差がありすぎるというか

で、選考会では例のごとくY岡さんは安定した走りを見せます。

私は一本橋は落ちるは、コンビネーションスラロームで右足はつくは・・・

選考会は全国大会の車両でもあり、Y岡さんのバイクでもあるER4Nで行われました。

人のバイクとは言え、県の代表選手を決める選考会でそんなミスをするようじゃイカンでしょう。

悔しいけれど、負けたなと思いました。

しかし、ふたを開けてみると「今回は選手の技量にに差がないので、県大会の順位が高かったほうを県代表とします」とのことで

私が県の代表選手となることに。

夢にまで見た県代表選手。嬉しかったけど、不安もありました。本当に私でいいのかと。

Y岡さんは笑顔で「よかったね!頑張って!」と明るく言ってくださいました。

特練での様子は割愛しますが、最後のほうに思っていたのが、

『全国大会が終わったら、カブかなんか買って、バイクは細々と楽しもう』と思っていました。

それくらい心が折れかかっていました。

それを決定づけたのが、特練最終日の傾斜走行での転倒。

ほんの少し怪我をしたせいもあり、その後のスピード系はグダグダ。

バイクは全然寝てないし、スピード感もなし。

撮って頂いた動画を見て本当に情けなくなりました。

その時に思いました。せっかく県の代表選手として選んでいただいたのに、なんじゃこの走り・・・

安協さんや、監督に迷惑をかけたくないという思いが出てきました。

でもせっかくのチャンスだし、私の出せる力を出してみよう!

・・・と思えるようになったのは、全国大会直前でした(汗)


悪路応用走行前、タイヤに洗剤をぬりぬりされています。


炎天下の中、ひたすら訓練を受けます。



【いざ、全国大会へ!】



全国大会は8月4日、5日で開催されます。

場所は三重県鈴鹿サーキット!

初日の競技は午後から開催されますが、福岡県チームは前日から現地入り。

各クラスの選手4名の他に、案協、監督、コーチ、あとは身の回りのお手伝いしてくれる方々。

小倉駅に10:30に待ち合わせ、10:47の新幹線に監督と、一般B代表選手と共に乗車。

博多駅から乗車した他のメンバーと新幹線で合流。

新幹線の中でバイク談義をしながら駅弁を食べ、13:51名古屋駅到着。

そこから近鉄特急に乗り換え、鈴鹿サーキットの最寄り駅である白子駅に到着。

そこではいつものデカエースで駆けつけてくれたTAKA2さんと合流。

荷物をデカエースに乗せ、私たちはタクシーで鈴鹿サーキット入り。

タクシーから観覧車を見てテンションUP!

来たぜ!鈴鹿!

早速チェックインを行い、運んで来て頂いた荷物を部屋に移し、17:30からコースの下見。

まだほとんどコースはできていなかったが、動画などで過去に参加された方が走っている場所を実際に確認。

「おー、こうなってんのか!」と動画の中の世界でしかなかった景色が目の前に広がりテンションさらにUPw

他にも多くの方が下見に来ていましたが、特練終盤で落ち込んだ気持ちはどこへやら・・・

一般Bの選手に「俺らが一番ですよ!」と根拠のない自信をブチかます私。

さらにテンションが上がり、「俺よりうまいヤツってこの中にいるんですかね?」とまで言い放つ始末

TAKA2さんもココまできて、私たち選手の自信をそぐわけに行かないと感じたんでしょう

『100歩譲って五分かな?』

どう考えてもそんなわけないよね・・・(汗)

あの場所に行って、明日から全国の代表が集まって競技が開催されるというのに、不思議と緊張感を感じない。

初参加ゆえ、全国大会ってものがわかってないからなのか・・・

いや、実はずーっと強気でいましたが、心の奥では緊張と不安は少しありました。

どこかで書いた(言った)記憶があるのですが、私は時々(いやいや、頻繁に?)デカイ口をたたきます。

それは決して自信が有る訳でも無く、天狗になってる訳ではありません。

自分の実力はわきまえているつもりです。

ナマケものの自分を自ら追い込み、奮い立たせないとビビッてしまって何もしない(できない)からなのです。



そうしてコース確認をしているうちに夕食の時間。

皆さんでおいしく頂きました。

ビールもうまかったっす!

部屋に戻ってからは、一般Bの代表選手と缶ビールとつまみを喫煙室に持って行き、

明日以降の大会なんかについて、選手目線で談義。

私、こう言うのって大好きです。

楽しい時間はあっという間に過ぎていきますが、明日もあるので24時前に就寝Zzz...


一般B代表と法規走行のコース確認中



【大会初日】



私は目が覚めるのが早いです。んで、二度寝できない男です。

目が覚めたのは4:16

さすがにこの時間からウロウロしたら散歩じゃ無く、徘徊やな。。。

布団の中でごろごろ過ごしながら、明るくなってきたころ鈴鹿サーキットに隣接する誰もいない遊園地内を散策し、昨日のビールを抜きます。

大会会場の方面を見ながら、今日がどんな一日になるんやろう・・・といろいろ考えます。

考えると不安がよぎるので、いすに座ったり、手すりに寄りかかったりしながらイメージトレーニング。

イメトレではおおむねクリアできます。

ただ、スキッドはイメトレ3回目でクリア。いいのか、こんなんで(汗)

イメージできなかったのが傾斜地走行。

雁ノ巣ではコンクリート製の傾斜地なんだけど、全国大会のそれは鉄板を塗装したもの。

角度やラインは雁ノ巣の方がキツイんで、ラクにクリアできるはずなんだけど、イメージがわかない。

しかし、特練ではがんばって練習したので、ミスはないことを祈りながら、

深く考え過ぎてもいけないと思い、イメトレもそこそこで終了。

7時過ぎ、みんなで朝食。

朝食後、監督とTAKA2コーチは大会会場で場所取りや設営などで先に現地入り。

私たちは大会の受付が10時からなので、朝食後はこんな調子でいいのか?というくらいクーラーの効いた部屋でダラダラ・・・

いや、一応イメトレにも励みましたよ。途中で寝たり、ニンテンドーDSしたりしてましたが(汗)

10時前になり、ユニホームに着替え、気合いと免許証を携帯し受付に行きます。

受付もすんなり終了。

んでコース確認に行こうとしたら安協さんから、「外にいても暑いから選手は部屋で待機」との指令

ん?いいのか?コース見に行かなくて・・・

安協と監督、どっちの指示に従えばいいのかわからずTAKA2コーチにTEL

「安協さんから部屋で待機って言われたんですが」

『コース見に来んの?いきなり走れる自信があるならいいけど』と、ちょっとお怒りモード

そりゃそうだわな・・・

大会会場へ急いでいき、できあがったコースを一通り下見。

スキッドにはすでに水も撒かれていました。

ここからは慌ただしく時間が過ぎていきます。

早めに昼食をとり、開会式に参加。

各県の代表選手が集まっています。この中に明日の表彰式で優勝って言われる人がいるんやな・・・

出走順を決めるくじ引きで私の出場する一般Aクラスは大分県から。

ということで、私が走る順番は後の方になりました。





【競技開始】



私の参加する一般AクラスはDブロックから。

ちなみにAブロックは法規走行、Bブロックはブレーキング、コンビネーションスラローム、コーススラローム、コーナリングといったスピード系

Cブロックは悪路応用走行、ブロックスネーク、レムニー。

Dブロックは千鳥走行、一本橋、傾斜地走行と言ったバランス系です。



まずは千鳥から。

今回から一般Bクラスの車両がCB750からCB1100へ変更。

でっかいバンパーのついたCB1100でもクリアできるコース設定なので、

ER−4nでは見た目で楽そうな設定。

おそらく2.7mのパイロン幅1.2mと言ったところ。

よっぽどヘタこかない限り問題なさそうな設定。

長い待ち時間の後、競技車両のERに跨がりついに最初の競技であるDブロックの千鳥から。

他の県の選手が前で競技していますが、無視。

私は一生懸命精神統一。

バイクのタンクを触りながら「よろしく頼むぞ!」と気合いを注入

自分の走る番が刻一刻と迫ってきます

「練習、練習、練習・・・」

ひたすらつぶやきます。

そうしている間に「ゼッケン40番!スタート位置について」

審判に誘導され、待機位置からスタート位置へと移動しスタンバイ。

『よーい、スタート!』

ちょっと緊張したけど、特練での計測時と大差ない緊張感。

進入、問題なし。

そして最初の右に切るターンで

「やべ!遅れた!」と気づき、パイロンを通過する前半までバイクだけ寝かし、小さく回ったつもり・・・

しかし、フロントタイヤが軽く振れ、審判に赤旗を上げられました。

なんか、ここで吹っ切れました。

ラインを踏んだ訳ではないし、いつも通りの感覚を取り戻しつつあります。

続いて左ターン。

問題なくクリアしたつもりだったけど、やっぱ焦ってるんでしょうか、フロントタイヤが「ズル!」とスリップ。

一瞬、足を着くかと焦りましたがなんとかクリア。

その後は特に問題なくいつも通り走り抜け、千鳥走行終了。

ゴール後審判から、「あそこでパイロンにタッチしたので、5点減点します」と説明を受けたあと、

「どーぞ」と競技終了の合図のあと、後方確認し、次のセクションである一本橋のスタートラインで待機。

程なくして、競技開始

正直言って、一本橋は結構ドキドキでした。

脱輪してはなんにもならない、かといって、規定タイムを下回っては減点。

春先の練習で30秒以上、コンスタントに出せていたのに、なぜか特練が始まってからはこれまで以上に乗れていない。

無理して気張ってもヘタこくだけなんで、脱輪だけしないよう注意しながら走る。

一本橋に乗り秒数を数えながら走る。

競技中、安定していないのが自分でもわかる。

こんなんじゃイカンと思いながらも15m先のゴールを今の自分にできる精一杯の努力でゆっくり走る。

口で数えて22秒の時にゴール。

と言うことは、ギリ20秒行ったか!?

結果は18秒台。

あちゃ〜、なにやってんだ・・・俺。ココでは10点の減点を頂戴しました。

ま、終わったことは仕方ない。悔やんで減点が0になるならとことん悔やみますが、

もう出た結果は変わらない。

次は傾斜地走行。

雁ノ巣に比べて傾斜地の角度は緩い。

しかし、なぜかパイロンがデカイ。あれだけでも十分視覚的威圧感ありますな(汗)

ずっと気になっていたのが、路面が雁ノ巣と違い、鉄板であること。

どんな走行感覚なのかイメージが沸かず不安が残ったままスタート位置でスタンバイ。

審判が「よーい、スタート」と旗を振り下げた後1・・・2・・・と聞こえるように数え出します。

正直一瞬イラつきました。

開会式の後の説明でも、3秒以内にスタートしないと発進手間取りで減点されるって行ってたけど、

後にも先にもあの審査員だけ。

普通に後方確認して発進すれば十分3秒以内に発進できるんで問題無いけど、わざわざ聞こえるように言わんでも・・・

で、スタートしてラインオーバーしないよう、スタート直後にすぐバイクを左に寄せ入りやすい角度にし、

注意しながら傾斜地へ上りだした瞬間、左側のバックミラーで赤旗を揚げている審査官が「チラッ」と移りました。

「まだライン踏んでないはず。俺なんかやったか??」と、一瞬考えたのがまずかった。

一度下ったときにオーバーランし、下側のラインを踏んでしまった!

もう一回上がって、通常のライン通りに走ろうかと思ったけど、頭の中は真っ白・・・

ゴールラインにバイクを止め、審査官が俺にこう告げます。

「後輪がスタートラインの枠を踏みました。指示違反で減点40点です!」いや、そんなハキハキ言わんでも・・・

手に持っている帳面に「減点40」と黒のマジックで書いているのを見て・・・「終わった」

密かに狙っていた1桁入賞。完全に崩れ落ちた。

特練でも、最大失点だけは避けるように言われ続け、自分でも変なスケベ根性は出さず最小失点で行こうと思っていた。

それは特練後半で痛いほど身にしみた。

なのに、一番やってはいけないことをやってしまった。

俺って、これで代表選手なのか・・・レベルが高いと言われている福岡県の代表選手なのか・・・

自分だけが恥ずかしい思いや、悔しい思いをするならいい。

安協、監督、コーチ、チーム福岡・・・そして代表に選ばれなかった他の選手たち。

本当に申し訳無いと思った。

傾斜地でDブロックの競技は終了し、定位置にバイクを置き、みんなのいるテントに戻るとき、足が重かった。

テントに戻り、「何で踏んだんやろう」とずっと考えていた。

廻りからは「済んだことは気にしない!」と元気づけてくれますが、私にはどうも納得がいかない。

コーチから「全国大会初参加にありがちな罠にハマったね」と。

言い訳するつもりはありませんが、今後のためと思って記しておきます。

雁ノ巣の特訓では、傾斜地走行はスタートラインにパイロンを置いてます。

リヤがパイロンを通過した直後に、バイクが傾斜地に入りやすい角度にするため、すぐさま左に寄せます。

そのクセが悪い方に働いてしまいました。

全国大会では、ラインが引いているだけで、パイロンは置いていません。

スタートを切られたあと、いつものクセですぐに傾斜地の方にバイクを寄せたため、後輪でラインを踏んでしまった訳です。

もちろん、ラインを踏んではいけないのは他のセクションでも同様。特練の中でもしっかり教わります。

やっぱ、平常心じゃなかったんですね・・・

コーチからは、「下のラインもオーバーしたけん、ありゃ80点減点よ(笑)」と。

確かにそうですな。でも、ラッキーなことに(?)、最大でも40点しか引かれないのです。よかった(いや、よくねーよ)


最初の競技「応用千鳥」 5点減点の瞬間(泣)


安定感に乏しい一本橋(汗)


競技開始と同時に最大失点を食らった傾斜地走行(悔)



【大会1日目 2つめのセクションへ】



次のCブロックの競技開始までしばらく時間があります。

チーム福岡のテントの前は一本橋と傾斜地。

見てると傾斜地をクリアしてるバイクを見てしまいます。

もう、終わったことを考えるのはよくないと思い、傾斜地の目の届かない位置に一人場所を移動し、

Cブロックの一番の鬼門である悪路応用走行を見学に行きます。

他の選手のライン取りを見て「あのラインだと行ける、あのラインだとあそこでパイロンに当たる」

と言ったことをずっと見て研究します。

でも、よく考えたら他人の走りなんてどーでもいい。練習通りやればクリアできるはず。

そう心の整理がついてテントに帰ると、監督から「どこで泣きよったん?探しよったんよ」と。

『いや、悪路見てました』

ご心配かけてゴメンナサイ

そしてそろそろCブロックの競技に入る時間になってきました。

さっきとはまた違うERに乗り、競技開始を待ちます。

はじめは悪路応用走行です。

ここも、スタート直後に右にバイクを寄せた方が、少しでも後がラクになるんですが、

「さっきの悪夢だけは絶対に繰り返してはいけない」と、頭の中で整理し、私の競技の番に。

いつも通りスタートラインに着き、旗が振り下ろされ競技開始!

練習、練習と思いながら1番パイロンを通過するころハンドルを切り返し、2番パイロンを通過する手前で反対へ切り返し。

低速でハンドルをフルロックしたままバイクを前に進めます。

リヤブレーキの効きがCBと違い、がっつり効きます。

バイクが前後にぴょこぴょこと動き、「これじゃイカン。ふんわりブレーキ!」と心の中で言いながらバイクを走らせる。

不安定なまま3番パイロンを通過。アウトラインぎりぎりまで寄せて切り返す・・・・つもりが、めっちゃ早く切り返してしまった!

実は特練の時、ぎりぎりに寄せていると、視覚的な問題からかバランスを崩し、切り返しがワンテンポ遅れてしまい

ラインをオーバーすることがあった。

それが頭をよぎり、安定している時に切り返そうと思ったが、早すぎた!

当初、ヤバくなったら5番パイロンは捨てて(当てて)いこうと思ってたけど、このままだと4番パイロンに当たってしまう。

急遽予定変更。4番を捨てて、5番を残そう!

と思ったらなんと4番パイロンには当たらずにクリア。ラッキー!

後は5番だけ。ハンドルをロックしたままゆっくり慎重に通過・・・・・行けた!!

やっと減点なしでクリアできた、よかった。何ともいえない安堵感。

ゴールし、審査官から「はい、減点なしです!あのラインで通った人、初めて見ましたよ(笑)」

『はい、私も切り返すのが早すぎたんで、めっちゃ焦りました』

減点なしでゴールできたので、ちょっと心にゆとりができました。



次はブロックスネーク。

このセクションも自覚症状があるくらい安定感はないです。

しかし、あんまり失敗もしないので、特練で習った「後輪を脱輪させない(疑惑含む)ライン取り」を意識しながら走行。

下見の時に「ん?」と思ったのが、練習では直線部分の真ん中あたりでもう一段上がる段が組まれているんですが、

今日の設定は直線部分になった直後にもう一段上がる段が組まれています。

まぁ、あまり気にせず走ることにします。

スタートが切られ競技開始。

ブロックに乗った瞬間0から数えます。

私はブロックはスタンディングで走るんですが、練習の時はタンクを膝で挟み、

状態を立てて走っていました。

特練終盤、ちょっと腰を落としてハンドル操作重視で走った方が走りやすいことがわかったんで、

今回もその体勢を取り走ります。

若干ふらついたものの、脱輪疑惑を受けそうなリヤが落ちそうな感触も無く、

口で数えて10を過ぎた時にブロックを通過。

結果、9.8秒でクリア。

ここでも審査官より、減点なしの報告を受ける。やったね!



本日最後の競技はレムニー。

練習よりコース設定が広く感じます。こりゃ問題無く行けるなと・・・思うことはやめました。

そのコース幅から、失敗はまず無いと思っていた千鳥ではパイロンタッチしてしまいました。

なので、甘く見て、余裕かますとあとで痛い目に遭います。

練習でもほぼ失敗のなかったレムニーですが、心して挑むことにします。

いつも通りスタートラインに着き、旗が振り下ろされ競技開始!

1番パイロン、いつもより進入した角度が浅い気がする。

ちょっと貯金を稼ぐため、2番パイロン通過時ちょっとバイクを寝かせて切り返す。

そして3番パイロン。

リーンアウトでぐるりとUターン・・・しすぎてちょっと行き過ぎた(汗)

2番パイロンからちょっと離れすぎ、軽く焦るが落ち着いてすぐに切り返し、無事ゴール。

ここも減点なしでクリアできました!

結果、Cブロックは減点0点。やったね!

競技が終わりバイクを返しに行くとき、近くで観戦してくれていたチーム福岡の面々が拍手を送ってくれます。

減点0でクリアした「どんなもんじゃい!」という気持ちと、

悪路応用のあのラインは無いよね(恥)という複雑な気持ちが混じり、

舌をだし、ガッツポーズをとりながらみんなの横を通過。

Dブロックの嫌な気持ちが吹っ飛ぶほど、うれしく、気持ちのいい思いをすることができました。


悪路走行。審査員も驚きのミラクルラインで通過


ややヘッピリ腰だけど、問題なくクリアなブロックスネーク


多少焦ったけど、練習に比べれば楽だったレムニー



【1日目の競技を終えて】



夕方から希望者を対象に、鈴鹿サーキットの体験走行が行われました。

先導する白バイについて、いくつかのグループに分けて体験走行。

もう、テンション上がりまくり!

走ったバイクはPCX(125ccのスクーター)でしたが、スピードを出すのが怖い私にはこれくらいでちょうどいいですね。

あくまで体験走行なので、ガンガンに攻めてとか言うことはないですが、

PCXでも3桁の速度は出ました。

コースも立体交差するところも走り、あんなにテンションが上がったのは久しぶりでした。

えいかし、映像で見るのと、実際に走るのとでは全然違います。

コーナーでも結構アップダウンがあるんですね。

あんな難しいコースでレーシングカーを走らせるプロって、すげぇっす!

体験走行終了後は服を着替え、みんなで夕食へ。

夕食後、昨日入らなかった施設内の温泉へ。

監督、コーチ、一般B代表、そして私。

4人で露天風呂に入り、裸になってもバイクの話(笑)

早々に限界が来てのぼせそうだったんで、私は先に上がりました。

部屋に戻りビールを飲みながら今日の競技のビデオを見ながら談笑。

明日の競技への縁を担いで、私のつまみは「白いキットカット」

明日は朝早いし、今日は疲れたので早々に就寝Zzz...





【大会2日目】



今日は朝8時には競技が始まります。

6時前にはユニホームに着替え、コースの下見を始めます。



今日の私の競技は、はじめはAブロックの法規走行。最後はBブロックのスピード系

大会の競技順通り、ブレーキングから下見。

その後コンビネーションスラローム、コーススラローム、最後のコーナリングを下見。

監督からライン取りやいろんな注意事項を教えてもらいます。

その後法規走行の下見。

本番の法規走行は、特練で監督が作ったコースとびっくりするくらい似ています。(監督すげー!)

全国大会のコースは、特練のそれに比べてコース全体がコンパクトになった感じ。

1カ所だけ安全確認する余裕があるのか気になったポイントはあったけど、それ以外は特に問題なさそう。

数周下見を終え、7時前に早めの朝食。

いったん部屋に戻って準備をしたあと、早々に大会会場へ向かいます。



一般Aの競技はずいぶん後。しばらくの待ち時間の後、待機場へ。

競技車両に跨がり、今回もタンクをさすりながら「よろしく頼む」と気合いを注入します。

んで、私の競技順がやってきました。

スタート前、なぜかあまり緊張はしていません。

特練でのコースが本番と似ているためか、小さな自信がみなぎっています。

競技開始の旗が振り下ろされ、いつもの作法に従い乗車。

特練で何度も注意された安全確認は「格好だけ見てる」のでは無く、「本当に確認する」を実行。

発車後、コース確認をした位置までに車線変更やら、その他動作を行っていきます。

しかし、特練に比べコースが小さい!

一瞬ウィンカーを出したりするタイミングはよかったのか?と不安になり、少々ビビリモード・汗

慌てず一つひとつの動作をしかるべきタイミングでやることを考えながら走行・・・したつもり。

走行を終え、バイクを戻してチームの方たちと話をすると、

「障害物の横を通過するときに停車したバイクの位置が後ろ過ぎるかも」との指摘が!

その瞬間がばっちり写真に収まっていました・汗

『そー言えば、車両前方の安全確認するとき、本当に見えにくかったです(爆)』

線路通過後の右折の後、ふらついたような気もするし(滝汗)

減点は免れないな・・・と思っていたら、なんと減点無し!

いやー、ラッキーというか自覚症状あったのに、ウワサでは聞いていたけど、全国大会の法規って結構甘いのね。

いや今後も自信をもって行けるように、甘く感じるほど私のレベルが上がったということにしておいてください(笑)


スタート前の後方確認


踏切通過時の安全確認


障害物横通過前の安全確認



【最後の競技ブロック】

ここでまたしばしの待ち時間。

次は最後の競技であるBブロック。

競技種目は、ブレーキング、コンビネーションスラローム、コーススラローム、コーナリング。

競技前の空き時間に喫煙室に行き、コーチより

「ガンガン開けて、トップタイムを出すくらいの勢いで行け」との指令。

万が一転倒したり、接地しても昨日の最大失点があるから、入賞はもうないもんね。

それなら福岡県代表の意地を見せる意味でも、タイムだけでもトップクラスに食い込むべくがんばってみることにします。

そろそろ競技が始まります。

最後のEr-4nに乗り、まずは慣熟走行

「ん!?このバイク、ちょっと右に寄って行く感じがする(汗)」

転倒の跡も見受けられなかったんで、まぁ個体差でしょう。

まずはブレーキングから、

私の1つ前は高知県。その選手の走りを見ていると、うまく止まれずど派手にブレーキロック。

いやなもん見たなぁ・・・

まぁ、そんなの関係ぇねぇ〜

さんざんやってきた練習通りにやればいいんですよ。

Er-4nはメーター誤差が大きいのが特練の時にわかっていました。

50km/hで進入しても45km/h出てるか出てないかくらい。

なので、本番でも50km/hで進入することにします。

旗が振り下ろされスタート!

早めに指定速度まで加速し、ブレーキポイントまでその状態をキープし、一気にブレーキング!

問題無く停止し、減点無し。

ほっとしたのもつかの間、次はコンビネーションスラローム。

スタートラインに付き、旗が振られるのを待ちます。

『よーい、スタート!』

テンションが上がりすぎて、旗が振り下ろされると同時に後方確認。

しかし冷静さも併せ持っていました。

瞬時に「今のって、確認した事になってんのか?」と。

減点とか言われても困るので、もう一度後方確認しスタート!

特練最終日の午前中に傾斜走行で転倒してしまい、それ以降の走りは動画を見ると何とも情けない走り。

スピード感はないし、バイクは寝てないし。

そんなことを忘れさせる魂の(?)走りをして見せます。

自分のベストが出せたかと言われると、そうではないですが、そこそこ行けたような気がします。

ただ、力が入り過ぎたのか、最後のゴールラインで停車するとき、停車寸前にフロントタイヤがロック!

めちゃくちゃ焦りましたが、減点無し。タイムも練習ではそうそう出なかった19秒台前半。

待つ暇も無く、バイクを次のセクションであるパイロンスラロームへ移動させます。

スタートライン手前の停止線で待機し、すぐにスタート位置に着くよう指示を受けます。

『ゼッケン40番〜』と、審判。

「よーい」と言って、旗を振り下ろしたと同時に後方確認しGO!

無理せず、でも俺の走りを観とけ!

と強気な気分で走ります。

寝かせ方がちょっと甘いかなと思いつつも、無理せずいつもの自分の走りをするよう心がけました。

ついさっき、パイロンスラロームのフロントロックの件があったので、

今度はゆっくりゴールラインに着き、出たタイムは19秒後半。

ここでも減点無し!

よっしゃよっしゃ!



ゴールしたのもつかの間、そのまますぐに最後の競技であるコーナリングへバイクを移動。

んが、しかしココで何を勘違いしたのか、スタートラインの審判が旗を振っているにもかかわらず、

ゴールラインの方をスタートラインと勘違いし、そちらにバイクを走らせていると

『違う違う!こっちこっち!!』

うは・・・(汗)

今のって減点?最大失点??

んで、正規の位置にバイクを停車させ、審判に

『今のって、減点なんですか?』

「いえ。大丈夫ですよ。でも今からはきちんと取りますからね」

『はい!』と返事し、すぐにスイッチを戦闘モードに切り替えます。

程なくして旗が振り下ろされ、スタート!

インラインは最大失点なので、それだけは絶対にしないよう注意しなければいけません。

スタート後3速まで早めにシフトアップし、コーナーに入る手前で体制を整えます。

アクセル操作が下手くそな私は、アクセルはパーシャルなんですが、

速度はリヤブレーキで調整しながらラインをトレースします。

「やべ、ちょっとインに入りすぎか?」

と感じたので、気持ちだけをほんの少しアウト側に持って行きました。気持ちだけ。

そしたらなんとAゾーンオーバー(泣)で5点減点。

まぁ、インラインで最大失点食らうより良しとしようと自分に言い聞かせます。



これで私の初めての全国大会が終わりました。

バイクを返し、タンクを撫でながら「ありがと・・・」

何なんでしょうね。この気持ち・・・

初参加の私でもなぜか熱いものがこみ上げてきます。

県大会から特練、選考会で選ばれ、一般Aの福岡県代表として私がこの鈴鹿にいます。

鈴鹿に来れたことは本当に幸せな事なんですが、私で良かったんだろうか・・・

タラレバを言っても仕方ないけど、昨日の大チョンボが無ければ、監督や安協さんに少しは恩返しができたんじゃないか・・・

競技が終わって、背負っているものの大きさを改めて冷静に考えてしまいました。

競技前日からかなり強気で過ごしてきました。

自分に自信がある訳でも、天狗になってる訳でも無いんです。

プレッシャーに負けて、ヘタレになる自分の性格が分かっているから虚勢を張っていたんです。

一気にいつものはたぼ〜モードに戻っていくのが分かりました。


ブレーキング競技。直前でイヤなもんみましたが、落ち着いてクリア


コンビネーションスラローム。練習よりうまく走れた気がします。


コーススラローム。私のすべてを解き放ちました。


コーナリング。この後Aゾーンオーバーしちゃいました。(悔)



【最後のパレード】



全国の代表選手で、鈴鹿サーキットでパレードが行われました。

福岡県は40番目なので、かなり後方。

しかし、コレがなかなか良いポジション。

私たちの前に39都道府県が列をなして走る姿は圧巻!

コースの所々に旗を振ってくれたりしながら声援を送ってくれます。

全然知らない人たちですが、こちらも手を振りながら走行。

バックストレートに47都道府県が集まり、式典が行なわれます。

暑くて、あんまり話聞いてなかったけど、あとで名前聞いてびっくり

話をしていたのはホンダの前社長・福井さんでした。

もうちょっとまじめに話し聞いとけばよかった・・・w


鈴鹿サーキットのホームストレート



【表彰式へ】



パレード終了後、選手は昨日開会式のあったホールへ。

そこで表彰式が開催されます。

1位〜3位の団体、個人の入賞者が壇上へ上がります。

壇上へ上がっている選手を観て、本当に悔しい気持ちになりました。

俺もいつかあそこに上がってやる!!

4位〜8位の入賞者は事務局から名前が呼ばれ、選手はその場で立ち上がります。

んで、我がチーム福岡のHiroさんがなんと4位入賞!

おめでとう〜♪

やっぱ、さすがだ。積み重ねて来ているものが違う。

私は当然入賞なんてあるはずもなく、ただの参加者状態。

悔しい・・・悔しい・・・悔しい・・・自分の実力のなさに

またチャンスがもらえるなら、次はもう少し良い成績が残せるように・・・

いや、チャンスはもらうのではなくて、自分から勝ちを取りに行かなくちゃいけないんだな・・・



そのためには、来年に向けて練習開始!



誰かに勝つためにではない。



自分に勝つために!



また行ってやる!



待ってろよ、鈴鹿!!

 



 
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